IEEE MEMS 2024 国際会議にて、基盤デバイス研究部門 三田研究室修士1年生の島村龍伍君が、IEEE MEMS Outstanding Student Poster Presentation Awardを受賞しました。

2024年2月1日掲載

IEEE MEMSは、1987年から続く、微小電気機械システム (Micro Electro Mechanical Systems)分野のトップ会議です。本年は2024年1月21-25日にテキサス州オースティンで開催され、世界中から投稿された659本のアブストラクトから72件が口頭発表、続く229件がポスター発表に採択されました。

ポスター論文からは、学生が発表者であるトップ論文15篇がファイナリストとしてノミネートされ、審査員による会期中の厳正な審査の上、2篇が上記Awardに選ばれました。「世界のトップMEMS研究」がひしめく中で受賞することは大変に難しく、栄誉なことです。

受賞論文は、
Ryugo Shimamura, Kei Misumi, Shun Yasunaga, Akio Higo, Ryosho Nakane, and Yoshio Mita, "Nanospires Insulation Penetrator for Reliable on-Touch Electrical Connection"
で、「New Fabrication Processes for Making MEMS/NEMS」分野として採択されました。

本成果は、附属システムデザイン研究センター(d.lab)基盤デバイス研究部門(部門長:三田吉郎教授)に寄せられた寄附講座「ナノシステム集積技術の創製」が有する、直径200ナノメートル、高さ280ナノメートルのマイクロ尖塔構造(micro spires)作製技術を、電気的接触を信頼性高く得るために絶縁膜ペネトレーターとして使うという、今後のチップレット時代への応用を見据えた、新しいデバイス要素技術です。

寄附講座は2022年7月に成立したもので、マイクロ尖塔構造を始めとして、武田先端知ビルスーパークリーンルームに集う様々な知恵を育み、次世代に受けつぐことを主旨として活動しています。マイクロ・ナノ技術の活用や伝承に興味のある産学官の皆様からお問い合わせをお待ちしております。




受賞者の一言:

ご指導いただいている研究室の皆さん、武田を維持していただいている皆様のおかげです。ありがとうございます。




指導教員の一言:

MEMSは競争率が高く、採択されることが既に名誉ですが、さらにそのトップ受賞は非常に希なことで、研究室としても、寄附講座としても、大変嬉しく思います。特に、基盤となった技術は寄附講座を御縁に伝承されているもので、今後も微細構造の新しい応用先を開拓したいと思います。




関連リンク:IEEE MEMS Outstanding Student Poster Presentation Award